
不登校生徒の大学進学について
梅雨に入ったかと思えば、真夏のような日差しがさんさんと照り付けるようになりましたが、皆様お変わりないでしょうか?
この時期になると、夏休みが始まるということで、学生の皆さんは待ちわびた時期かもしれませんね。
しかし!夏休みということは、学校のほうも生徒対応以外に使える時間が増えるということでもあります。
だからこそ、学生が夏休みに入るこの時期は、大学のオープンキャンパスの時期となるのです!
本校の生徒にも、「オープンキャンパスに行ってくる」という話題が、ちらほらと聞こえてきています。
そこで、オープンキャンパスの話し…ではなく、大学入学に関するお話をしたいと思います。
前回の記事で、私が不登校経験者ということはお話ししましたが、今回は不登校が大学に進学するということについて書かせていただこうかとおもいます。
不登校といっても様々なケースがあります。不登校になった時期も理由も、人それぞれです。その中で、不登校でも有名私立や国公立に合格したという話も聞く機会があります。
そのうえで、不登校だからといって、すべての不登校生徒が有名大学に行けるわけではないということも事実として知っておいていただきたいと思います。
いきなりきつい内容を書きましたが、この理由は単純な話で、学力と時間の問題がその理由です。
世間で名が通っている大学といえば、不登校生徒に限らず、普通の学生生活を過ごしてきた生徒も希望する大学ということになります。
そのなかで、今まで学校に行き、学校の授業を頑張ってきた生徒達に対して、大学進学を目指す不登校生徒は勝たなければ、合格することはできないのです。
では、勝つためにはどうするか?様々な方法があります。このブログで何度も話題に挙げている、総合選抜型入試(旧 AO入試)などの、推薦系入試で勝負するというのも一つの手です。
ほかには、純粋に学力で、普通の受験生たちに打ち勝つという方法もあります。
ですが、どちらも並大抵のことではありません。
自分は、なんとか一般入試の学力で、京都の私立大学に入学しましたが、そこまでの道のりは大変なものがありました。
だいたい、こういう話をすると、「あなたが特別なのよ」といったような返しをされるのですが、自分は元から勉強ができた人間ではありません。
世の中には、不登校で有名私立や国公立に合格という話も聞きますが、彼らに比べて、自分の元の学力も、才能もなく、スタートも遅かったと思います。
自分は、中学1年生の後半から不登校が始まり、2年生の半ばからはほぼ行っていなかったので、1年半近く学校に行っていなかったことになります。
さらに、元から勉強ができたわけでもないので、高校に入学した際の学力は、今思い返してもひどいものがあったと思います。
なので、基礎学力があったわけでもなく、不登校の期間が短かったわけでもありません。
そんな私が大学進学を目指したのは、高校2年生の頭。1年生の春休みです。進路について考えたときに、何の気になしに、「大学に行ってみたい」と考えたのが始まりです。
そこからは、当時の担任の先生に助けてもらいながら、受験勉強が始まりました。
幸いなことに、今でいうところのサポート校と併設した通信制の高校でしたので、受験勉強の時間はしっかりとることができました。
ただし、その時の受験勉強は苛烈で、高校3年生一番大事な時期ともなると、朝の7時から、翌日の午前1時までといったような時間で、受験勉強をしていた記憶があります。
ですが、そこまで時間を費やして受験勉強が完璧だったかといえば、そうではありません。結果として、受験までに英語は完成せずにボロボロ。日本史も近代以降があやふやといった状況で受験に挑まなければいけませんでした。
結果として、当時の偏差値50代の私立に合格できましたが、その時の合格点は、なんとその大学の合格者最低点で、例年よりも20点ほど下回った点数でしたので、本当にギリギリといった状況でした。
このように、不登校の大学受験には、それまでの積み上げや、受験までの残り時間がとても重要になってくるのです。
これも、7年以上前の話しなので、今だとさらに偏差値が上がり、シビアな世界になってきています。
そのうえで、冒頭の話に戻りますが、不登校の大学進学は不可能かと言われれば、可能と言い切ることができます。
ただし、そこには、本人の努力と覚悟、それまでの積み上げを含めたうえで、受験までの残り時間と相談して、受験先を決めていく必要があります。
ここまで、不登校生徒の大学進学について、ネガティブなことを書いてきましたが、覚悟さえ決まってしまえば、大学進学は不可能ではありません。
実際、不登校というのは、しっかりと向き合うことができていれば、推薦系の入試ではプラスに働くこともあります。
ですので、今不登校で、大学進学を考えている方がいるのであれば、あきらめずに頑張ってください。
受験というものに関しては、努力すれば結果は必ず返ってくるものなので、あきらめないことが一番大切なことだと思います。